ヒナステラ クレオール舞曲の組曲op.15より 第5曲 vol.2

コンクール

ひとつ前の記事で、ヒナステラの音楽の重要な要素であるアルゼンチンの歴史、文化、フォルクローレなどについて学びました。

soraくんとちほのアルゼンチン熱は高まり、はやく弾きたくてたまらなくなっています。

詳しくはvol.1をご覧ください。

それではクレオール舞曲組曲より第5曲を実際に練習していきます!

クレオール舞曲の組曲より第5曲 演奏のヒント

1〜11小節目まで、4分の3拍子と8分の6拍子が交互に現れます。アクセントのつけ方を工夫するのが良いですね。
初めからたぎるものを感じます。左手の和音は移動を素早く、ちゃんと指が鍵盤に着地してから打鍵しましょう。まだmfですから少し冷静に。

5小節目にcresc.がありますが、両手和音で音が増えて自然に音量が上がってしまいますし、4小節かけてもまだfなので、一度音量を落としてから強くしていきます。

9小節目もfからさらにcresc.し、13小節目のffまで持っていかなければなりません。好き嫌いあるかもしれませんが、10小節目の連打はペダルを踏んで、2拍目は1度弱くしてcresc.します。

12小節目 肘を張らず、しっかりと掴みながら鍵盤を押します。音が短くなりすぎないようにしましょう。

13小節目 しっかりと弾ききり、かっこよく切ります。


14小節目からが、パワー不足なのかいまいちうまく聞こえません。重々しい感じにはしたくないんだけど…

14小節めmartellatoは「槌で打つように強く」という意味です。
しかし、ffで何小節も続くので、下に押す力だけではなく、鍵盤の跳ね返りを意識しながら弾きましょう。

好き好きあるとおもいますが、一音ずつ切って弾きながらペダルをつける(深さや長さは響きをよく聴いて加減する)と良いかなとおもいます。私はマリンバで力強く響かせるのを想像しながら弾いています!

それから、左右で三和音を弾くところが自然にアクセントになります。拍子には少し逆らう感じになりますが、弱拍だからと言って引っ込める必要はないように思います。


18小節の7拍子少し歌いましょう。


23小節め かっこよく弾ききります。書いてある通り、最後は手をクロスした方がかっこいいのですが、左手でオクターブでつかむ方が簡単かつ外しにくいですね。

24、25、28、29小節目 規則正しく、ダンスシューズのヒールをカッカッと打ち鳴らすように。

本当にタップダンスみたい!

26、27小節目 弱めからクレッシェンドします。最後の音が一番強くなるようにしましょう。少しだけ柔らかさを感じます。右手の手首がガタガタしないように。左手は和音をしっかり掴みながら。

30、31小節目 再び柔らかさを感じて、クレッシェンドします。ソプラノが響くようにバランスをとります。

32、33小節目 左手のアーティキュレーションから、3拍子のとり方で良いでしょう。内声に半音階があります。
34、35小節目 右手のシンコペーションのリズムパターンが変化し切迫感が増します。左手の分散和音もしっかり鳴らしましょう。レガートで弾くよりはmarcatoを感じて弾くと良いと思います。


36小節目 1拍目をしっかり両手で出し、グリッサンドは豪華に、最後のシを中指でしっかり打ちます。ずらさず、両手でシ!と弾く方がカッコ良く決まるかと思います。

37小節目〜 14小節目〜に対応していますが、こちらは左手にしっかりとアクセントがあるため、それをしっかり打ち出しましょう。


49、50、53、54小節目 1音ずつ強くなりように重みをのせましょう。49、50小節めは体が左に寄りすぎないよう注意しましょう。
51、52小節目 うまくペダルに任せて、柔らかさを感じましょう。

54小節目3拍目から54小節目1拍目 幅広く感じましょう。


55〜62小節目 いろんな音域でテーマが出てきます。それぞれの高さを楽しんで。59小節目のテーマは、少し様子を変えて艶のある音で弾くときれいです。

63小節からだいぶ下から上がっていきますが、左に体が寄りすぎないようにしましょう。だんだん大きな錘を乗せていくように、拡大していくような感じで弾きましょう。

コーダ

楽譜に指示のある道に常にffでかなりしっかりと弾きます。ピアノは打楽器です、と言わんばかりの怒涛のコーダです。

ヒナステラの作品を聞いていく中で、バレエ音楽エスタンシアの終幕の踊り「マランボ」に雰囲気が似ているなあと思いました。

vo.1でも触れましたが、マランボは、アルゼンチンの伝統的なダンスで、男性のみが舞う力強い踊りです。
男性たちはガウチョのブーツを履き、ガウチョパンツを翻しながら、素晴らしい足さばきで力強く踊ります。タップダンスの一種だと思います。とても素早く複雑な動きです。 
ダンスの際は音楽はリズム主体でしっかりとした旋律はありません。

マランボはyoutubeで見れます。特にコーダの雰囲気と似ていますので、参考にご覧ください。

とにかくしっかりオクターブをつかみ、指を立てしっかり掴みながら弾きます。メロディーを埋めるように入っている2度の和音はバランスを聞き強さを決めましょう。

9小節目 いきなり音域が下がります。雰囲気を変え、頭の中は少し冷静に。

21.22小節目 ペダルを使わずにしっかりと打鍵しましょう。23.24小節目は5度の神秘的な響きを楽しみ、ほんの少し柔らかい表情で弾くのも良いと思います。

29小節目 フォルテッシモの指示ですが、和音の温かさ、8拍子の幅広さを感じて、余裕を持った強さで弾きましょう。

31.32小節目の5拍子は鋭めに、ペダルも短く踏みます。40小節目まで弱くなった感じがしないように厚みを保ちます。

33小節目 再び幅広く。

34小節目左のオクターブの上行をしっかり歌って盛り上げます。

37.40小節目は体が左によりすぎないようにしてペダルはなしで歯切れよく弾きましょう。

41小節目で一度弱くし、47小節目に向けてクレッシェンドしましょう。ペダルは踏みっぱなしなので音が重なっていくのを楽しんで。

46.47小節目の1音目の和音しっかりと。拍子がころころと変わるため、大事な1拍めを見失わないようにしましょう。

48小節目〜 ruvidamente 荒々しく、という意味です。かと言って叩いてしまっては音が出ないので、左手はしっかり和音をつかみ、あまり鍵盤から離れないようにします。メロディーラインも意識しましょう。右手は左手に影響が出ないように、ほぼ指の力で弾きます。肘が右に張らないように気をつけましょう。

56小節目〜 最後にあとひと頑張り。燃え上がって!

70小節目〜 難しそうに見えて、手の形ずっと一緒です。思い切って押しましょう。

最後はカッコよく、バシッとポーズ‼︎

すごく楽しかった!ほかの4曲も弾かないと。

5曲目はこんな感じだったけど、ほか4曲は違った趣です。また弾いてみよう!

お読みくださりありがとうございました。よろしければホームページもご覧ください。

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