J.S.バッハ シンフォニア 第12番

コンクール

早いものでもう7月ですね。ピアノの部屋の除湿機が大活躍の今日この頃です。
2019年の半年が終わったかと思うと驚きます!

生徒さんたちの中にはすでにコンクールが始まったり、音高では実技試験もありました。また、これから本番を控える方もいます。

夏に本番がない生徒さんも毎週の課題を頑張ってこなしており、日々進歩を感じます。

ピアノの本番の有無にかかわらず、また、ピアノ以外のことに関しても、「期日に最善の準備をして挑む」ことが大切です。

これは最近、私の恩師が私のある生徒さんに向けてかけてくださった言葉なのですが、改めて自分もこの言葉を胸に頑張ろうと思いました。

     


おひさしぶりでーす!soraです。
今回はボクの出番です。

今回はシンフォニアの12番 イ長調を取り上げます。

シンフォニアは過去に14番も取り上げています。よろしければごよろしければご覧ください。

インベンションもシンフォニアのどの曲にも上品さがありますが、この曲にはそれに加えて楽しさがあります。
何か良いことがあっていい気分だけど始めはおすまし顔、でもだんだん隠しきれずに出てきちゃった♪
という雰囲気の曲です。

〈第1部 1〜14小節〉

1、2小節目のソプラノに主題が提示されます。1小節目は主音であるラの周りを装飾するような音形で可愛らしく、そして2小節目は単旋律でありながら複旋律を感じるような音の並び(2小節め1、2拍め。楽譜に黄色でマルしています。)があり、音の進行方向も、広がっていきます。

単旋律だけど、2声に聴こえるような書き方なんですね。面白いなあ。

実際は1声でのことなのでやりすぎはいけないけどね。
親指は固くならないように気をつけましょう。
2小節め1、2拍目はブゾーニ編では、単旋律の中でも対位法らしく聞こえるよう、スタッカートを付けてタッチの差をつけるように促しています。

ブライトコプフ版 ブゾーニ編

2小節目の3、4拍め(主題の語尾)は、後々変化していきます。
バスは重たくならないようにスタッカートにテヌートがかかっているような、響きをまとったスタッカートで弾きましょう。ぶつ切れにならないように、次の音にはもう指が行っているようにしましょう。

テーマは大きくは2小節で1フレーズですが、小さなスラーをたくさんつけている楽譜もあります。ブツブツ切る必要はないと思いますが、スラーの頭の音は指先に小さなアクセントを感じて弾くとリズム感や軽やかさが出ると思います。
強弱をつけるとしたらpでしょうか。軽やかで可愛らしい、ワクワクした雰囲気で弾きたいですね。

3、4小節目はアルトのパートに主題が5度高く現れます。主題の語尾は、2小節目とは違い、いちど上がった後に下行していきます。同時にソプラノは上行していくので開いていく形になります。ソプラノを少しクレッシェンドしましょう。



5、6小節にはバスに主題が現れます(主調)。支えるようなつもりで、今までの主題よりもしっかりめに弾きます。
ソプラノとアルトは、バスをかき消さない音量で、しかし、先ほど少しクレッシェンドしているので明るい音色で付点のリズムをリズミカルに刻みましょう。アルトはソプラノの、付点8分音符の中に軽やかに入れるつもりでいきましょう。

付点のリズムがうまくいってない気がする・・・

片手で2声の弾き分けをしなければならず、連打が多いから難しいですね。
付点8分音符ですが、8分音符の分はのばして、付点の分は休符(16分休符)のつもりで弾くといいですよ。
ソプラノは4や5の弱い指が多いのでしっかり立てるようにしましょう。

バスの主題の語尾を使って7小節目はゼクエンツになっています。
6小節目4拍目のソプラノ7小節目の1拍目のアルト、2拍めのソプラノに重みが来るようにテヌートがあるつもりで。ただ、ソプラノは明るめ、アルトは中の声という感じで音色に差をつけましょう。バスは指番号を気をつけて、次の小節への跳躍がスムーズに行けるようにしましょう。

7小節目の3拍目ソプラノのタイから、主題が現れます。アルトには音階、バスにも動きがあり今までの主題よりも華やかな感じになっています。全てのパートがきれいに進行するよい指番号に気を配りましょう。(特に左手)

9〜14小節目


主題の頭の部分を使って第1部と第2部をつなぐ間奏の部分となります。繊細に聴く作業が必要です。
ソプラノとアルトはタイの後の音が飛び出ないようにコントロールしていく必要があります。また、ソプラノが音が切れやすいので、右のひじを体に引きつけて音が切れないような指番号で弾くように気をつけましょう。

ソプラノがきれいにつながらない・・・(涙)

ソプラノの2分音符にはいるところですよね。たとえば右手で、2度下行する音を弾くのに45や34などで取る必要がある場合があります。
ひじを体に引き付けると弾きやすくなります。また、指を持ち替えるなどいろいろな指番号を考えてみましょう。


ソプラノは少し明るめ、アルトは少し落ち着いた感じの音色を目指し、2つの声部が会話しているような感じで。9〜12小節は全体的に軽やかな雰囲気で。下降しているためdim.していきましょう。
バスは、主題にも出てきた、単旋律の中で対位法を感じる形となっています。指は鍵盤に付けたまま、手の動きはコンパクトに。動いている方の旋律は音の進行に沿ってニュアンスをつけるように努めましょう。動かない小指のバスのラインは重くなりすぎずにしかし安定した強さ音色を心がけましょう。

13小節目は今まで交互に動いていたソプラノとアルトが、一緒に合わせて歌います。丁寧に、ハーモニーをよく聞きましょう。13、14小節目は上行形なので、広がりを感じながらクレッシェンドします。13小節目3拍目から15小節め1音めのアルトは、切って弾く方法もある思いますが、私はつなげて弾きます。14小節目の一音めレ♯を左でとると弾きやすいです。

〈第2部 15〜23小節目〉


15、16小節目にバスに嬰ヘ短調の主題が現れます。冒頭の雰囲気に比べると緊張感があります。主題の1音目からキリッとした音色で弾きましょう。
再び、語尾が変化し、17小節目はゼクエンツになっています。16〜18小節は6、7小節目と対応していますが、6、7小節目が下行していたのに対して、こちらは気持ちよく上がっていき、回数も多くなってます。前向きにクレッシェンドしていきましょう。バスも、主題の語尾を使ってゼクエンツにするやり方は一緒ですが、語尾に変化があります。
18小節目の3拍めにたっぷりと持っていき、19、20小節目の2拍ほどはたっぷり感を保ちましょう。18小節目3拍目からバスは保続音なのでしっかりめに。またアルトは左手でとりソプラノとともに華やかに弾きます。19小節目は今度はソプラノとバスをしっかり揃えてハーモニーを聞きます。
21〜23小節目は第2部と第3部をつなぐ間奏の部分で、9〜12小節目からと対応しています。ソプラノとアルトは形が変わりませんが、バスは動く旋律が低音のほうに来て、9小節めあたりより幅広い印象になります。バスの動きを楽しみましょう。全体的に下がって行くのでdim.ですが、23小節目の3、4拍目のバスがゼクエンツから違う動きをするところで音の深さを感じてクレッシェンドします。

第3部 24〜32小節目〉

24小節目のバスに主題が現れます。先程の流れから、今までの中で1番低音の主題ですので、たっぷりとした音色で堂々と弾きましょう。
26小節目の3拍目からは右手に主題が現れます。旋律こそ冒頭と一緒ですが、和声は嬰ヘ短調のものが付いていて、特別感のあるおしゃれな小節になりますので丁寧に味わって聴きましょう。音域も広かったのが真ん中に寄ることで、新鮮な感じがあります。ソプラノが一番浮き立ちますが、アルトも少しバランス多めだときれいでしょう。
その主題の語尾を拾ってゼクエンツになります。ここは6.7小節と対応していますが、声部間で交代、そして引き伸ばされています。

27小節目はバスが四分音符なので、楽譜のようにアルトを右手で取るとよいと思います。
28小節からはコーダになります。一旦弱めてから最後はfで堂々と終わるように持っていっても良いですし、柔らかくpで終わることもできます。私は29小節目のソプラノの1オクターブ跳躍の後からは柔らかめに持って行って、30小節目のバスの3、4拍目は歌い、最後は落ち着いた強さ(p)で終わります。

いいことがありますように!

お読みいただきありがとうございました。
よろしければホームページもご覧ください♪

 

 

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